精油の定義とアロマオイル

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アロマ界に入ってから、”精油”の呼び方について意識するようになりました。アロマ初心者の方から、有名なセラピストやプラクティショナーさんを見ていて、なるほど♪と思ったこともあります。皆さんは精油の事をなんて呼んでいますか? 精油、エッセンシャルオイル、アロマオイル、オイルなど色々ありますが、人によっては話す相手など、状況に応じて変えているセラピストさんもいるのではないでしょうか。ということで、今日は”精油”の定義についてお話しします。

アロマオイルと聞いて、皆さんはどんなことを思い浮かべますか? 私が見る限り、一般的には精油=アロマオイルという認識が根強く、精油のことをアロマオイルと呼んでいる方も多いのです。実際私の身近にもおりますし、私が精油を学び始める前は、私もアロマオイルと呼ぶことに何の抵抗もありませんでした。しかし、ある程度精油を知ってくると、アロマオイルという呼び方はしなくなるんですね。実体験もそうですが、周りでもそれを目の当たりにして、ちょっと面白い現象だな^^ と個人的には思いました。

アロマ界にいる私たちは、精油が何かを当たり前のように身についているので、精油がアロマオイルではないことを知っています。だからといって、”アロマオイル”の定義が何なのかと言われると正しい答えは出せないのですが、あくまで精油とは別物。おそらく雑貨店や100円ショップにあるような人工香料などを指すのではと思っています。そして英文法的な面からしても、この呼び名は日本語特有の和製英語であることも分かります。Aroma=香(名詞)Oil=油(名詞) で名詞続きになっているので、本当ならばAromatic oilとなるはずですよね。

そういえば私が日本にいた頃、ダイソー100円ショップに一見精油棚に見えるものが置いてあった記憶があります。あれは今考えれば確実に人工香料ですね^^;たしか空の香とかもあった気がします。空がどんな匂いなのかちょっと気になりますけども。笑 しかし、当時はそれをいい匂いのするものと思っていましたし、もし誰かにそれがアロマセラピーに使うオイルだよ、と言われても、間違いだと気付くことはななかったでしょう。一般的にアロマセラピーを知らない人からは、精油だろうと、小瓶に入ったカラフルな人工香料だろうと区別がつかない事が多いのです。

今となっては、アロマセラピストとして活動する上で、精油をアロマオイルなどと呼ぶことはなくなりました。しかし以前、とあるセラピストさんのブログを見ていた時に、精油のことを話しているのに敢えて”アロマオイル” と呼んでいたんですね。それを見てなるほどな、と思ったことがありました。アロマセラピスト、プラクティショナーとして仕事をする立場としては、正しくない言い方をすることにプライドが許さなかったりするのですが、熟練のアロマセラピストやプラクティショナーでも精油をアロマオイルと呼ぶことがあるのは、本人はアロマオイル=精油ではないことを知っていても、多くの人がアロマオイル=精油と誤認している現状を考えると、アロマオイルと言ったほうが分かりやすいだろう、という思いからそう呼んでいるのですね。じゃあ、精油の定義とは?ということになりますよね。アロマ界の方は既に知っているので良いですが、これから始めるアロマ初心者の方や精油ビジネスをしたい方、精油を日常に取り入れようとしている方はぜひ知っておいて損はないことかと思います。

精油(エッセンシャルオイル)というのは、”水やスチームによる蒸留のプロセスで植物の成分に化学変化を起こし、水溶性成分を取り除いた物質” というのが厳密な定義なのですね。多くの精油が水蒸気蒸留法で抽出されているのはご存知かと思います。蒸留法で抽出されることで、蒸留の過程で熱や圧力により植物の油細胞にある成分(エッセンス)に化学変化が起こります。そして、蒸留で採れた物質は水溶性の物質と親油性の物質に分かれますが、この親油性の部分が精油として使われます。そして更に精油は、薬効があり、芳香成分を持ち、揮発性の高いものでもありますので、単なる人工香料はアロマオイルとは呼んでも、精油とは呼べないのですね。

この定義の発祥は、ずっと昔、古代ギリシャ時代のアリストテレスの四元素説の影響があります。5つめの元素としてクイントエッセンス(Quintessence)が知られていましたが、当時はスピリチュアル的な意味を持ち、生命の霊、魂と考えられていました。そして、”蒸留” することにより植物の魂を取り出すと考えられていたため、バーテンダーの世界では蒸留酒であるブランデーやウイスキーがスピリット(魂)と呼ばれるのはここから来ているようです。エッセンシャルオイルという呼び名は、5つ目の元素クイントエッセンスより来ていると考えられており、クイントエッセンス(魂)のオイル(親油性の部分)ということで、クイントエッセンシャルオイル(Quintessential oil)と呼ばれ、それを短縮してエッセンシャルオイル(Essential Oil)となった考えられています。

それを考えると、柑橘系の精油は、柑橘の皮の成分を圧搾法で抽出した精油は、蒸留法で抽出されてもいなければ、成分に熱や圧力による化学変化が起きていないため、本当ならば精油ではありません。油細胞にある成分そのものは本来”エッセンス”と呼ばれるのですが、ISO(国際標準化機構)では、

”as a product made by distillation with either water or steam or by mechanical processing of citrus rinds or by dry distillation of natural materials. Following the distillation, the essential oil is physically separated from the water phase.”
自然な物質を、水やスチームによる蒸留、または柑橘の皮を機械加工、または乾溜法によって作られたものを言う。精油とは蒸留により、水分部と物理的に分けられる。

となっていますので、現在はどちらも精油と呼んでいます。ですが、二酸化炭素抽出や有機溶剤で抽出したものは、CO2エクストラクト、アブソリュートと呼び、精油とは区別していますし、それらもアロマオイルとは言わないのです。ということで、精油にはこんな定義があるのです♪ 新たに知った方は、今後ぜひ呼び名を意識してみてくださいね。

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