純粋でない精油とは

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(Holistic Mom’s Aroma Lifeより)

さて、今日は純粋でない精油についてちょっとだけ詳しくお話したいと思います。よく高品質な精油や純粋な精油などと聞いたことがあると思いますが、純粋でない精油って具体的にどんなもの?って思いますよね。これは精油の成分ではない、何かしらの不純物が含まれている精油のことで、植物を栽培する際の農薬が混入されているとか、アルコールなどの化合物を入れて香りを強調させていたり、キャリアオイルなどの植物油で薄めていたり、というのはよく聞く話だと思います。どれもコスト削減することが一番の理由で、消費者もただただその香りが好きで満足している場合、こういった精油の存在もありだとは思います。しかし、その精油の薬理効果などを求める場合は、正しい精油の使い方をしていても、精油本来の効果が得られなかったり、不純物による副作用(アレルギー反応やかぶれなど)の心配があるので、品質の良い精油、つまり不純物の混入されていないものが望ましいのです。そして、先ほど挙げたような不純物入りの精油は、ちょっとした成分分析で不純物が入っていることが分かってしまうのと、普段アロマ使っている人が香りを嗅いだだけでも気づくものもあります。

しかし最近は世界各地でアロマセラピーが人気になってきているのもあり、成分分析に携わる専門家でさえ気づかないことのある、巧妙に細工されている精油が存在しています。そこで、今日はアメリカでも有名な精油化学者、Dr. ロバートパパスのドテラインターナショナルコンベンションで行われた、“Adulteration 101” ~粗悪な品質の精油を知ろう~ を基に5つの代表的な混ぜ物入り精油をご紹介します。

①不揮発性の混入物を入れている精油
これは揮発しない物質を量増ししている場合です。通常、単に植物油(ホホバやサンフラワーシードオイルなど)を混ぜていることが多く、そういった場合は、質量を調べるテストなどで簡単に分かってしまいます。しかし最近では、そういったテストにも引っかからないような、精油の特徴にそっくりな不揮発性の物質を混ぜている精油も見られるようです。

②似ている成分や香りの精油同士を混ぜている精油
例えばメリッサのように5mlでも$100を超えるような精油は、同じような香りや成分が入っているレモングラスやシトロネラなどを混ぜて、他のブランドより安く売っている、という話はよく聞きます。他にも、アメリカでも有名なとあるディスカウントマーケット、〇ォルマートで売られているペパーミントの精油を分析の結果、コーンミントの精油を混ぜていた、ということがDr.パパスのサイトで紹介されていました。また、シナモンの樹皮から取れる、シナモンバークの精油も高価なものの一つですが、講義ではマーケットで手に入るシナモンバークの分析結果と共に紹介していました。Dr.パパスいわくカシア(中国シナモン)の精油が混ざっていて、香りも良く似ているとのこと。一般の私たちがマーケットで売られていても、香りを嗅いだだけでは到底気づくことは困難ですよね。

③違う植物からの同じ成分入れている精油
ちょっとややこしく聞こえるかもしれませんが、これはフランキンセンスなどの精油に見られるようです。フランキンセンスは精油の王様とも言われるほど、多くの効能、薬効が期待できる精油ですが、同時に価格も安いものではありません。そこで、安く済ませるために、他の植物からフランキンセンスと同じ成分を取り出し、それを混ぜて堂々とピュアなフランキンセンスとして売られているのだとか。フランキンセンスの主要成分にα-ピネンという成分があります。これは松やモミなどの精油によく見られる成分なのですが、このα-ピネンだけを取り出されたものが、マーケットで安く手に入れることが出来ます。それをフランキンセンスの精油に混ぜれば、パーセンテージ次第で香りもあまり変わらず、精油の品質検査でもナチュラルなものと結果が出てしまうのです。

④ペトロケミカル由来の合成成分を混ぜている精油
これは石油や天然ガスの成分を利用した、人工的に作られる成分を混ぜた精油です。精油の主要成分がこの方法で合成できる場合に多く見られます。コリアンダーやラベンダーなどにも見られますが、最も厄介な精油の一つにタイムがあります。価格が極端に安いタイムの精油は注意が必要です。タイムは主要成分にチモールという成分があるのですが、チモールは他の成分と比べて合成が簡単で、非常に純度の高いものが安価に手に入ります。その上、この合成チモールで作られたタイムの精油は、品質検査でもナチュラルとして結果付けられてしまうのです。

⑤天然由来の合成成分を混ぜている精油
これが最も分析者を悩ませる混ぜ物入り精油なんだそうですね。これは天然の物質から取り出した成分を合成して、それを精油に混ぜるという方法です。講義ではとある会社のスペアミントの精油を例に挙げていました。前回のブログで、スペアミントはカルボンという成分が主要成分、ということをお話したと思いますが、カルボンは厳密には2種類あり、L-カルボンがスペアミントの主要成分です。そして講義では、このL-カルボンがD-リモネンから合成が可能で、その合成カルボンをスペアミントに混ぜているとのことでした。D-リモネンはレモンやオレンジに多く含まれるシトラスの香りのする成分で、天然のD-リモネンが安価に手に入ります。そのD-リモネンを塩化ニトロシルという化合物と酸化させることで、L-カルボンが出来上がります。そうして出来たスペアミントの精油は、あらゆるテストで良質で自然な精油として品質テストにパスしてしまうので、多くの消費者だけでなく、分析者をも欺いているのだそうです。いったい、どの会社の精油か非常に気になりますね^^;

と、なんだかアロマ界の裏事情みたいなブログになってしまいましたが、技術が進歩すると、良いことでだけでなく、そうでないことにも使われるのは悲しいですね。Dr.パパスは私もとても尊敬している研究者の一人で、アロマ界全体でも非常に有名な化学者なのです。ドテラ社に所属しているのではなく、アメリカを中心とした多くのアロマセラピーカンファレンスで講義をしたり、今では世界中を旅して様々な植物の精油の抽出や分析を行っています。良質な精油を選ぶ際は皆さんも気をつけてくださいね。

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