難病患者へ自然療法を勧めることについて

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先日、Facebookを見ていると、興味深いというか、考えさせられる記事が紹介されていました。この記事の発信主はあのロバート・ティスランド氏の奥様、ハナ・ティスランドさんでした。皆さんの周りにはアロマ以外の自然療法をされている方はいらっしゃいますか。私の周りには、自然療法に興味がある知り合いや友人はいても、何か一つの自然療法にブログを書くほどのめり込んでいるのは私くらいです^^ さて、そんな近年代替医療という言葉で世間から注目されている自然療法ですが、医療とは違い、一般の方がお手軽にご自身でケアができることや、副作用がない安全な療法ということで、資格やライセンスがなくても、一般人同士が情報をシェアし合ったり、使い方や摂取の仕方を自由に教え合う機会というのも、多くなっているのではないでしょうか。何の自然療法かは重要ではなくて、本日お話しするのは、自然療法といわれるもの全般に起こりうる、人に勧めるときのモラルについてのお話です。

私はアロマ界の事しか知らないので、例に挙げるとすれば、例えばフランキンセンスの精油をがん患者に勧めること、などが今回のお話を進めるにあたりピンと来るかなと思います。例えば、私の知り合いの方が肺ガンの末期で、藁にもすがる思いで何でも良いので改善するものを探しているとします。その知り合いが私に、アロマで何かガンに効くものないかな?と言われたら、私なら精油をすぐに勧めることはまずできないです。なぜなら、まずその方へ伝えるのは、アロマはガンそのものに効果を発揮すると考えるものではなくて、予防や副作用のケアに使う程度に考えてほしいと伝えます。確かに、世の中には人によって、特定の自然療法でガンを完治させた経験を持つ方もいます。Dr. Axeもその一人で、お母さまが乳がんのステージ3から復活した背景には、自然療法の効果だと力説しているのが有名です。ですが、それが万人に当てはまるものかと言えばそうではない、それはガンの背景は十人十色だからです。

しかしこの場合は、患者側が自ら他の治療法を探しているので、できる範囲で協力したいと私なら考えます。そこでもし、アロマがガンの特効薬ではないことを知っても、使ってみたいのであれば、次にするのは、その方のバックグラウンドと現状を把握すること。例えば、免疫力が極端に低い方への精油の使用や、その方個人のコンディションとか、服用している薬とか、その方の現状に、一番安全で効果的なアロマセラピーのプランを立てる必要がありますよね。その上で使っても良いと判断ができれば、そこで初めてこういうコンディションに対してなら、こういう精油やクラフトが効果が期待できますが、どうでしょうかと勧めます。

自然療法やアロマが世に知られることや、使いたいという人が増えることは、私にとってとても嬉しいことです。だからこそ、難病患者の方へのアロマセラピーは慎重になるべきと考えています。もし、私が安易に勧めたもので、免疫力の低下により予期せぬ副作用が出てしまい、アロマが嫌いになってしまうとか、望んでもいないのに勧められて不快な思いをしたことで、アロマが嫌われてしまうことが、何より一番辛いからです。もし家族が病気なら、お医者さんと接触しながら、例え家族が私に聞かなくても、私に何かできることはないか考えますが、それでも慎重になります。そうでもなければ、自分から難病の友人や知り合いにアロマを勧めることはしません。

重要なのは、この考えが正しいとか間違っている、ということではなく、患者のことを本当に想うのなら、まず患者が一番何を欲しているのかを考えて、その上で自分が持っている実力の範囲内でのアプローチに留めるべきだと思うのです。さて、前置きが長くなりましたが、Facebookでシェアされていたハナさんの記事を読むと、難病患者への自然療法を勧めるにあたって、懸念されることは、色々な面での知識不足で患者に予期せぬ弊害が出るケースや、ビジネスつまりお金目的で勧めるケースがある点だと仰っています。既に長くなっているので、彼女の記事で私の中で心に響いた一節をいくつかご紹介して終わります。

● No serious healer will tell you “I will cure you”, at best you will get “I will do what I can to help you, but I need to know more about your case”.
本当のヒーラーは、“あなたの病気を治します”とは言わない。そういう人たちは、“私ができる範囲で助けます。ですが、その前にあなたの事を教えてください。”と言うでしょう。

●no two cancers are the same. Cancers are as unique as people who face them –
ガンは2つとして同じものはない。ガンは、私たちが皆顔が違うように違うもの。

●People in those kinds of situation are desperate for any hope, any promise of a happy end, and would give any amount of money to have that. And there are people who will take the money, in exchange for an empty promise they must know is false. In my book of life, such behavior is unethical, cynical and wrong.
このような難病を患う方の中には、既に絶望や悲観で自暴自棄になり、持っているすべてのお金を上げようとする人もいるでしょう。そして、“絶対”が約束されないことを知っているはずなのに、そういう人に対して自然療法をお金の対価とする人は偽りです。私の人生で、そのような行いは、道義に反し、皮肉で、間違っていると感じます。

的を得ているご意見ですよね。私はアメリカに住んでいますが、言語はもちろん日本文化がベースになっています。アメリカには本当に色々な人がいて、日本ではあまり考えられないような図々しい人や、お節介を通り越す人にも出会いました。以前アロマのワークショップに、まだ歩かないくらいの息子を連れて行ったことがあったのですが、泣き出したので子供を連れて席を立つと、隣のおばさんが ”良いものがあるわよ” と言い、“いえ、大丈夫ですので” という私を無視して、突然ラベンダーの精油を原液で息子の足の裏に何滴も垂らされたことがありました。急だったのと、講義中だったこともありますが、言語の壁もあり、強く言うことができなかったのが、とても悲しいやら悔しかったのを覚えています。息子は特にそれにより副作用はありませんでしたが、とても危険な勧め方ですよね。これに関しては難病患者のケースとは違いますが、アロマに限らず、自然療法を誰かに勧めるときは、まずは相手の気持ちを尊重して、そして少なくとも最低限の知識を持った上で、自分の実力の範囲内で行うこと、それが重要だと思います。

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