バニラアブソリュートとバニラエキストラクト

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クリスマスといえば定番のバニラの香。色々なブランドで出しているブレンドオイルに、よくバニラがブレンドされていますが、今日はそのバニラアロマを追求すべく、バニラアブソリュートと、お菓子に使われるバニラエキストラクトのお話をしようかと思います。
バニラビーンズという名前はよく聞くと思いますが、これは列記とした植物で、バニラの学名はVanilla planifolia。マメ科ではなくラン科の植物です。イランイランの産地で知られるマダガスカルが最も多い生産地で、確かに、美しく香り高い花をつけるところはイランイランと同じですね。
(Wikipediaより)
一見インゲンのようにも見える細長い実。これがスパイス屋さんで見られるバニラビーンズの正体です。スパイスの中でもバニラは栽培が難しいとされ、サフランの次に最も高価なスパイスなのだとか。バニラビーンズ入りのアイスクリームは、この乾燥させた実をグラインドしたものです。何かとブレンドするよりも、バニラそのもので香りを楽しむのが私は好きだったりしますが、それは良いとして、この上品で美しい香りの正体はバニリン(Vanillin)という成分によるものなのですね。
で、アロマ界で使われるバニラアブソリュートは、このバニラビーンズをアブソリュート法で抽出したもの。この場合の溶剤は、主にエタノールを使用し、最近では二酸化炭素を溶剤として採るCO2エキストラクトも多いです。実は純のバニラアブソリュートは、ローズアブソリュートよりも高価なもの。後ほど説明するバニラエキストラクトよりも粘性が高く、もはやシロップのような肌触りです。バニラの香りで知られるベンゾインアブソリュートのような粘性があり、でも香りはベンゾイン以上で、バニラの凝縮した香です。バニラアブソリュートは意外ですが飲用不可。溶剤の心配もあるから、という理由もあるのですが、バニリンの取りすぎによる副作用のためです。
それに対してエクストラクトは、アメリカの食料品店のベーキングコーナーには必ず置いてありますね。日本ではバニラエッセンスと呼ばれるお菓子作り用の香料がありますが、それと同じ、もしくは近いものかと思われます。これはエタノールにバニラビーンズを数週間から数ヶ月漬け込んで作られます。色は茶色く、でも肌触りは水っぽくサラサラしています。日本ではどうか分かりませんが、アメリカではバニラエキストラクトの定義が ”アルコール分が35%以上含まれている事。抽出時に1ガロンのエタノールに対し13.35オンスのバニラビーンズが使用されている事“という決まりで、それを満たさなければ他の表記にしなければならないそうです。以前、こちらのSimply Organic社ののエクストラクトを使用してプリンを作りましたが、とても香がしっかりしていて良かったです^^ ちなみにこちら会社のスパイスですが、アメリカのオーガニックマーケットでは比較的どこにでもあり、人気のブランドです。少し値段は張りますが、オーガニックということもあり、私自身トレーダージョーズに置いていないチリブレンドなどのスパイスは、こちらの会社のものを買うことが多く、とてもお勧めです。

作るのが好きな方なら、バニラエクストラクトは簡単に自作できます。細長い瓶かガラス製ボトルにバニラビーンを6~8本ほど入れて、そこにウォッカを200ml程度入れて2,3か月冷蔵庫で抽出します。コツはしっかりアルコールでバニラビーンズを隠すことです。長すぎる場合は切りましょう。基材はコチラがおすすめ。このボトルは自家製抽出油を作るときや、ドレッシング保存などにもとても便利です。

さて、気になるこの2つのバニリンの含有量ですが、エクストラクトは0.1〜0.2%程度なのに対し、アブソリュートは12%前後とおおよそ10倍です。バニラアブソリュートでブレンドを作る場合、1%でも十分な香りがしますので、ブレンドの際は入れすぎないように気をつけましょう。
ちなみに、マーケットではこれら以外にも様々なバニラ香料があります。アロマオイルコーナーにあるバニラオイルとして販売しているものの多くは、ホホバオイルなどのベジタブルオイル(キャリア)にバニラビーンズを漬け込んで抽出したものです。また、クッキーなど市販のお菓子に使われるバニラは、人工香料であるエチルバニリンという成分を使っていたりするんですね。アロマ界ではよくありがちの偽和精油ですが、バニラアブソリュートも例外ではなく、人工成分で出来ていたり、ベンゾインが混ぜられていたりしますので、香りと色、そして肌触りで本物を見極めましょう。
最後に、バニリンに効能ですが、やはり温かくスイートなアロマからの抗うつ作用、そして抗菌性や抗酸化作用などがあります。ぜひ12月のホリデーシーズンということもありますので、バニラの効果も得ながら香を楽しんでくださいね。

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